コラム
コンクリート診断士を取得して / 福井県コンクリート診断士会 正会員 栗原 勇樹
私は、PC (プレストレストコンクリート) 専門会社に入社し、主に新設PC橋の設計や施工に携わってきました。入社から10年ほど経過した後、 開発部門に異動になり、開発業務のほかに非破壊調査によるポストテンションPC橋のグラウト充填状況の調査や経年劣化によるコンクリート橋の調査なども 行ってきました。コンクリート診断士は…
コンクリートに携わって25年 / 福井県コンクリート診断士会 会長 山川 博樹
昭和47年3月、私は福井県大野市という、冬場は非常に雪深い田舎町で産声を上げ、高校卒業までの期間、大自然に囲まれ育ちました。 小学4年生の冬、北陸地方は記録的な大雪(56豪雪)の被害を受け、大野市も一晩で車が動けないほどの積雪となりました。自衛隊からの災害派遣もありましたが、 地元の建設業に携わる方々(私の父…
この豪雪に思うこと / 福井県コンクリート診断士会 会長 石川 裕夏
37年ぶりに嶺北を襲った今回の大雪は、本当に甚大な被害をもたらすものだった。これまでの雪でさえ不便を感じていた関西出身の私 にとっては、まさに別次元の降雪で、国道8号線の1000台を超える車の立ち往生や、徒歩でしか移動がままならならず、やっとの思いでたどりついたスーパーには買 うものがない。そんな状況は、過去…
人のためのコンクリート / 福井県コンクリート診断士会 会長 石川 裕夏
東日本大震災が発生して、はや半年が経過した。今回の震災では、甚大な被害がもたらされ、自然の脅威と人間の無力さをまざまざと 見せつけられた気がする。さらに、私たちの住む日本が世界に類をみない災害国であることも、あらためて認識させられた。災害は地震だけに限らず、我が国におい ては、台風や集中豪雨、火山活動など…
たゆまぬ維持管理技術の研さん / 福井県コンクリート診断士会 幹事 青山 宏昭
私は、現在PCa製品の製造会社で開発や品質管理業務に携わっています。以前からコンクリート診断士という資格の存在は知っていま したが、コンクリートのことは理解しているつもりで取得の必要性は感じていませんでした。ところが、数年前、弊社製構造物の変状について、施主様からコンクリ ート診断士の所見を求められ、もどか…
コンクリートシンダンシ / 福井県コンクリート診断士会 会長 石川 裕夏
日本の文化から生まれた世界共通語、「モッタイナイ」。コンクリート構造物に対しても、この「モッタイナイ」精神で向き合わなけ
ればならない時代となった。
二十世紀は、「鉄とコンクリートの世紀」とまで言われ、膨大な量のコンクリート構造物を生み出す世紀であった…
日本的感性による技術 / 福井県コンクリート診断士会 会長 石川 裕夏
世界的にみて、自然災害が多いとされる日本。古来より、日本人は、台風や洪水、地震などの自然災害と常に隣り合わせで生活をして きた。このため、日本人は、「自然にはかなわない」といった畏敬の念を持って自然と向き合っている。建物を建てる際には地鎮祭を施し、トンネルが貫通した際に は神輿を担いで練り歩く。この姿は、自…
技術の価値を伝えよう! / 福井県コンクリート診断士会 会長 石川 裕夏
「科学技術立国ニッポン」。高度経済成長期以降、日本はこう呼ばれ、科学技術を中心に目覚ましい発展を遂げてきた。今、この日本 において、理系離れの問題が深刻化している。正確に言うと、生じているのは、理系離れではなく、工学系離れである。医学系や歯学系の志望者はむしろ増加してお り、工学系のみが激減している状況にあ…
歴史は繰り返すのか!? / 福井県コンクリート診断士会 会長 石川 裕夏
「約200年間にわたって建設した大量の建造物の維持補修が国家財政上の重い負担になって国力の低下を招き、滅亡に追い込まれた
国がある。ローマ帝国である。」これは、『コンクリート文明誌(小林一輔氏著)』という著書の冒頭のくだりである。
いまの日本も、高度経済成長期に建設された橋や建物などのコンクリート構造物が老朽化し、これらの維持補修が…
今の私にとってのコンクリート診断士としての取組み / 福井県コンクリート診断士会 正会員 北山 良
私は、プレストレスト・コンクリート橋梁のメーカーに所属しており、これまで主にプレストレスト・コンクリート構造物の設計・施 工を20年近く行ってきました。数年前にメンテナンス関係の部署に異動し、コンクリート構造物の補修・補強や診断の業務を担当するようになりました。特に私がコ ンクリート構造物の維持管理分野に関心…